2009年6月28日 (日)

夏のクリアランス

おはようございます。

販売促進コンサルタントの桜井淳です。ショッピングモールなどで夏のクリアランスがスタートしつつありますね?

私は百貨店で20年間、小売の現場を見てまいりました。

だから、7月上旬と1月上旬のクリアランス時期と言うものには敏感です。

このクリアランスというのは、次の季節の商品を販売するため、店頭またはメーカーに売れないで残っていた前の季節のものあるいは今の季節のものを値下げして、クリアにすること(在庫から減らすこと)を目的としています。

もちろん、建値あるいは定価で販売する方が利益率が高く、その方が良いに決まっていますが、そうもいかないのがファッションの世界です。

売れるだろうと思って作ったり、仕入れたりした商品が思いの外売れなくて、それを利益率を落としてでもさばいてしまおうという意図があるのです。

年々、このクリアランスの時期が早まって来ています。

これは低迷化する景気の影響で、次の季節の商品を作る(仕入れる)ための資金を稼ぎ出したいからです。

昔は7月中旬だった夏のクリアランスが最近は6月下旬に、さらに6月の中旬スタートに変わりつつあります。

真夏の到来を待たずに、夏の商品のクリアランス?
いや、実はそうでもないからご用心です。
店頭には昨年のものや、4月頃から店頭に並んで売れなかった商品が値下げされて並ぶことも少なくありません。期待して出かけていったら意外に良い物がなくて、つまらないものを買わされてしまうこともよくあるお話です。

それから、百貨店やショッピングモール、あるいは丸井さんあたりでも、全店一斉にクリアランススタートになるかというとそうではありません。そういったいわゆる売場を貸しているだけのデベロッパーには商品の価格設定権はなく、テナントやメーカーが勝手に決めて勝手にスタートしています。

まあ、とにかく、梅雨も明けないこの次期から徐々に値下げが行なわれて、消費者は定価=建値で買わなくなって行くことは間違いのない事実です。

ところが、私が今のお仕事でお付き合いしている会社や店舗の経営者の方々の中で、このクリアランス時期というものをあまり気にしていない人がいらっしゃいますが、それではいけません。

消費者の消費動向=消費のモード=お買得感は、数日の違いで変わっていくのです。

ネットショップでも、街の商店街でも、ショッピングモールに倣って、特別に仕入れたバーゲン商品を並べたり、数量限定の特価商品を用意するなど、何らかのアクションが必要です。これを「売出し」といいます。

さあ、今日は日曜日、ショッピングモールや百貨店など、見学に行って来ましょうか?

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2006年5月30日 (火)

テナントの接客

商業ビルや複合商業施設のオーナーさんやデベロッパーさんは、テナントさんの品揃えや店員さんの接客に対し、苦情をもらうことがあります。

これは、施設全体の責任者として仕方がないことですが、テナントさんに対して品揃えを強制する権利はないし、テナントさんの販売員を教育することも基本的には不可能です。

しかし、商業施設全体の評判を上げ、快適なお買物空間を演出するためには、テナント側の責任者に対し、テナントの従業員をしっかりと教育するように指示することは構わないことでしょう。とは言うものの、テナント側で採用して、テナント側で教育する販売員さんは、必ずしもオーナーさんのメガネに叶うものではないかも知れませんし、その後の教育指導もなかなか思うように行かないのも事実です。

どうしてもテナントさんが集まるビルは種種雑多な人々が、集まり、今ひとつまとまりがない状態になりがちです。火災訓練、避難訓練などの全体行動を通して、ビルオーナー、デバロッパー側の存在感を示し、接客やお客様の安全管理などに対し、指示が行き届く関係を保ちたいものです。

また、こういったことの積み重ねで、お客様から苦情をもらうことのない販売員をテナント側で教育してもらい、もし、苦情をもらった場合は、その原因と対策をしっかりと指示し、是正させられる発言力を持っていたいものです。

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2006年5月27日 (土)

テナントの品揃え

基本的に、ビルや商業施設のオーナーさんや、デベロッパーはテナントさんの品揃えに口出しはできません。

売上責任がテナント側にあり、売上高が多いか少ないかはテナント側の責任になるからです。

したがって、売れ筋商品が多く品揃えされているか、そうでもないのかに対しても「お願い」は出来ても、強制力はありません。たとえ、お客様の声に、品揃えの悪さをご指摘されても、そのことを伝えるに止まり、品揃えの改善は望めないと思っていいでしょう。
テナントに勤務する人たちも品揃えが良い方が売上高があがりやすく、それを望みますがテナントの本部は、集客力があり、在庫回転率が高いところに売れ筋商品を納品したがります。その方が売れ残るリスクが少なく、より健全な商売が可能になるからです。

と言うわけで、テナントさんに入ってもらって商業施設を運営すると言うことは、やや手袋の上から手を掻くようなもどかしさが感じられることもあるのです。

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2006年5月25日 (木)

テナントの宣伝

テナントビルなどの商業集積を経営する場合、ビル全体に集客を図るように宣伝するのはオーナー、デベロッパー側の責任ですが、テナントさんも独自に宣伝をうち、集客する努力をしてもらわなければなりません。

具体的には、チラシを撒いたり、DMを打って購買実績のあるお客様とのコミニケーションを図ってもらうことも、テナントの仕事です。

また、集客されたお客様に商品を買っていただくための宣伝としては、テナントごとの装飾やPOPなどもテナント側でしっかりと施し、魅力的で買いやすい売場を構築してもらう必要があります。

この時、オーナー、デベロッパー側はテナントに対し、圧力的に何かの宣伝策を強要することはできません。あくまでもテナント側の販促費でなされるからです。
ですから、テナント側が独自の宣伝方法でオーナー、デベロッパー側の意見や思惑に従わず、いらいらさせられることがあるのも事実です。

また、オーナー、デベロッパー側は、全館共通チラシや全館共通装飾などを行うために毎月、一定額の「共通販促費」を徴収することもあります。オーナー、デベロッパー側は、この共通販促費を言ってみれば商店街の会費のように管理し、しっかりと収支報告を行えるようにしながら、集客のために上手に使わなくてはなりません。

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2006年5月24日 (水)

商売の形態 3 テナント

商業ビルのオーナーやデベロッパーが、その物件を使ってどう収益を得ようかと考えた時、自ら商品を仕入れて販売する方法をとらないとするなら、「テナント」を誘致すると言う方法があります。

テナントとは、賃貸ビルの一角の一定のスペースを、月額いくらと言う契約で賃貸しする契約で商売をしてもらう形式です。
従って、ビルオーナー自ら品揃えをしたり、販売をする必要がありません。

結果的に店舗を運営すると言う点では自らのお店と見た目は同じでも、「買取」や「委託」で商売をする方法と大きく異なり、売上を作る努力はテナント側が行うことになります。

テナント契約では、基本はテナント賃貸面積に応じて、家賃が支払われる形となりますが、場合によっては、売上に比例する歩合賃料を発生させる契約をする場合もあります。
この歩合賃料の契約がない場合は、テナントの売上が例え0でも、テナント側は一定の賃料を支払わなくてはなりません。また、歩合賃料の契約がなければ、オーナー側はテナントの売上すら管理する必要がありません。毎月、賃料を支払ってもらうのみです。

また、歩合賃料の契約がある場合は、テナントの売上を管理し、売上に応じた賃料の計算を行い、テナント側に請求しなくてはなりません。

いずれにしても、テナントさんが主体となって商売を行うのですから、仕入れに関する手間、商品管理に関する手間、さらに販売に関する各種の努力をオーナー側が行うことがないので、オーナー側は多くの人手を要することはありません。
百貨店や総合スーパーが、従業員数を減らし、人件費を削減しようと考えるとき、比較的安易にとられる手段が売場のテナント化と言うことになっています。

反面、品揃え、商品管理などがテナント側によって行われると言うことは、オーナー側は、品揃えや接客がどのように行われても、口出し手出しが出来ず、商業施設としてのアイデンティティーが失われがちになるので注意が必要です。

また、オーナー側はその商業施設全体に集客が図られるように、テナントラインナップを考え、また、商業施設全体の宣伝を行わないとテナント側は出店してくれませんし、既に出店済みの店舗も、退店を申し入れてきます。

このようにテナントを数件集めて商業施設を運営することは簡単なようで以外に難しいマーケティング技術が必要です。全てをテナントに任せておけば安泰と言うわけには行かないのです。

明日以降は、このテナントさんと一緒に考えるべき、商業施設としての集客宣伝や接客などについても考えて参りたいと思います。

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2006年5月23日 (火)

商売の形態 2 委託

今日は、「委託」形式の商売についてお話したいと思います。

「委託」は、商品を置いてあげて、商品の所有者に成り代わって販売をしてあげる(させてもらう)形態の商売です。

小売店は、メーカー・問屋から商品を預かって、販売を委託された形で小売する方式ですので、小売店は売れた分の原価をメーカー・問屋から支払ってもらうことになり、入荷した商品全ての原価を支払うのではありません。

したがって、所有権が移りませんから、商品はメーカーまたは問屋のものとなり、売りなかった商品は、メーカーが処分することが原則です。

この場合、所有権が移りませんから、小売店側で、勝手な価格の調整はできません。また、メーカー、問屋側は、商品が売れ残る場合のリスクを抱えていますから、小売店側に満足がいくほどの商品量が投入されるかどうかは疑問です。

さらに、このリスクを抑えるために、メーカー・問屋側は、通常の買取商売ほどの原価で取引をさせてもらえることは少ないと言ってもいいでしょう。

こういった販売形態の小売店側からのメリットは、なんと言っても、売り残りを処理する必要がないという、リスクの少なさです。半面でメリットは、思うように商品が投入されないことと、儲けの率(粗利率)が低いことです。

この形態で商売をするに当たっては、販売にかかわる経費、人件費や倉庫維持費などがどれだけかかっているかをしっかりと把握する必要があります。

明日は、買取でも委託でもない、テナント形式のショップ運営についてお話したいと思います。

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2006年5月22日 (月)

商売の形態 1 買取

商売をされている方は、よくご存知な商売の取引の形態には、買取、委託などいろいろな方法があります。

今回のシリーズは、実際に商売をされている方には当たり前のお話ですが、商業施設の誘致などを検討されていらっしゃる方々、賃貸で小売業者を誘致されたい方などの参考にしていただけるシリーズです。

今日はまず。「買取」と言う商売の基本についてのお話です。

「買取」とは、文字通り、買い取って返品しないと言う形態で、買い取った瞬間に商品の所有権は、買い取った側に移ります。これをどうするか、いくらで売るかも買い手次第であり、商品を売った側には自由裁量件はありません。これを「通常希望小売価格」などで拘束し、全国一律の価格で販売をさせようとするメーカー側の思惑が働くことがありますが、基本的には、拘束力はありません。

そして、買い取った商品は、適正な価格で消費者へ再販されます。再販される価格を小売価格と言いますが、小売価格は、小売店側が競合他店との価格のバランスと、その商品を販売するのに必要なコストや儲けを乗せて、設定されます。小売店は、小売店独自に決定した価格で売り切る努力を行ないますが、売り切れない場合は、値下げをして買いやすくしたり、時には処分価格をつけて、仕入れた商品が売れ残らないようにします。

売れ残って困るものの代表に生鮮食品があります。生鮮食品は、鮮度が落ちてしまったら誰も買いませんし、捨てるだけになりますから、最後は仕入れ値を下回ってでも売り切りたいアイテムです。夕方のスーパーなどで、魚や野菜をタイムサービスしたり、対面で値下げして販売するのはこのためです。

こうして、小売店は「買取」の商品群についての扱いは、総仕入れ額を総販売額で上回り、儲けが出るように考え、損の出ないように注意します。

この買取の商売の大きな特徴は返品ができないことです。
魚や野菜は売れ残っても市場や生産者に返すことはできませんね?

街の商店街などで衣料品を扱っているお店は、買取で衣料品を扱うのに苦心しているはずです。衣料品はサイズが消費者の希望と合わないと売れませんし、色やデザインが好まれないものは値下げして少々安く販売しようとしても、そうそう売れるものではありません。
したがって、街の衣料品店の品揃えはおのずと、コンサバな誰でも買いそうなものが並びます。店主は仕入れに当たって冒険をしないからです。また、どうしても、買い手のお客様が買いそうなものを仕入れ、その方に売る努力をしますから、固定客商売になります。新規のお客様を集める努力が後回しになりがちです。
街の衣料品店が「買取」で商売をする難しさがここにありますね?

そこで、買い取らず、一定期間、商品を預かり、売れなかったら返品することができる「委託」販売形式を導入したいと考えますが、これに応じてくれるメーカー、問屋とそれを許さないところがあり、街の商店街の小さな小売店あたりでは思うように行かないものです。

明日は、この、返品ができる「委託」について考えて見ましょう。

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